耳垢
耳垢とは
耳垢といえば、皆さん耳から出る排泄物といった悪いイメージを持っていると思いますが、本来は、外耳道を清潔に保ち、ほこりや汚れから鼓膜を守る目的があります。そして、抗菌性もあり外耳道の表面を保護しているのです。耳垢は外耳道の入り口付近に出来るものなので自然に外に排出されていきます。その為、基本的には耳掃除を頻繁に行う必要はありません。しかし、粘性の耳垢の方、外耳道の狭い方、代謝の早いお子様および高齢者の方などは耳垢が溜まりやすいので注意が必要です。
日本人の耳垢は、約80~90%が乾燥型、残りの約10~20%が粘性と言われております。
耳垢の原因と種類
耳垢は、(1)「乾性耳垢」と(2)「粘性耳垢」の2種類があります。
(1)は、カサカサと乾燥した灰白色で鱗(うろこ)のような耳垢のことといい、
(2)は褐色でアメ状の湿った耳垢のことをいい、西欧人では約9割がこの粘性耳垢の持ち主です。
耳垢ができる原因としては、外耳道にある「耳垢腺(じこうせん)」と「皮脂腺(ひしせん)」から出る分泌物に、剥がれ落ちた角化表皮細胞や毛髪、粉塵などが混ざることによって生じます。
耳の掃除の正しい方法
ご自身で耳掃除するときには、綿棒を短めに持ち、入り口付近の耳の壁をそっと綿棒でぬぐうだけにし、耳の奥は触らないように気を付けてください。外耳炎のほとんどは過剰な耳掃除が原因とも言われています。耳掃除は1カ月に1~2回で十分です。
ただし、粘性耳垢の方、高齢者の方、外耳道が狭い方の場合は、耳垢が溜まりやすいため定期的な耳掃除が必要です。2~3カ月に1度、耳鼻科で耳掃除をしてもらうことをおすすめいたします。
また、耳垢の除去は立派な医療行為として認められています。慢性中耳炎などの耳の病気を手術し治療が終わったときに、カサブタ状の耳垢が沢山できる場合があります。そのような場合は病気再発のチェックも兼ねて、定期的に耳鼻科で耳掃除をしてもらうとよいでしょう。