耳について
- 耳掃除がなかなかうまくできません。耳垢を取ってもらうためだけに耳鼻咽喉科に行ってもよいのでしょうか?
- 耳垢を取るというのは、立派な医療行為になります。みみ・はな・のどの専門領域である耳鼻咽喉科に耳垢を取ってもらうためだけに来院していただいて結構です。耳の中は見えないところで不安かもしれませんので遠慮なく耳鼻咽喉科に行きましょう。もちろん耳垢を取るためだけに来院される方もいらっしゃいますのでご安心ください。
- 耳がかゆくてよく綿棒で触るのですが、耳に異常があるのでしょうか?
- 耳がかゆくて綿棒でよく触るという行為を行ってしまう場合、耳の入口から鼓膜までの道、外耳道と言われる部分が炎症が起きている状態です。「かゆいから触る」ことでさらに耳(外耳道)の皮膚を傷つけてしまい、悪化してしまいます。できるだけ触らないようにしましょう。かゆみが我慢できない場合には、耳鼻科を受診してください。
- イヤホン(ヘッドホン)をいつも着けて音楽を聴いていると耳に悪いと聞きますが本当ですか?
- 使用時間や音の大きさによって変わってきますが、難聴を起こす可能性があります。常識の範囲内で使用することが大事ですし、耳を休ませることも必要です。あまり大きなボリューム(周りの人に聞こえるくらいの音量)で音楽を聴くのは控えたほうが良いでしょう。
- 中耳炎になった時にはプールやお風呂に入ってもよいのでしょうか?
- 炎症を起こしている部分を温めることはあまり良くありません。入浴や体を洗うことは問題ないかと思いますが、首から下を意識して耳には水が入らないようにしましょう。
プールに関しては、耳に水が入ったり、水圧がかかることはあまり良いとは言えません。耳に痛みがある場合、熱の出た中耳炎(急性中耳炎)であれば控えたほうがよいでしょう。また、滲出性中耳炎(痛みがなく難聴が起きる中耳炎)の場合でも治るのに時間がかかってしまうので控えた方がよいでしょう。 - 中耳炎がなかなか良くなりません。鼓膜切開や鼓膜換気チューブ留置をしたほうがよいのでしょうか?
- 急性中耳炎、慢性中耳炎、滲出性中耳炎など中耳炎の種類に応じた治療を行っていき、治りが遅く、長期にわたって治療を行っている場合、やむを得ず鼓膜切開やチューブ留置を行うことを薦めることがあります。
- 鼓膜切開という治療で鼓膜に穴を空けると言われたのですが、問題ないのでしょうか?穴は塞がりますか?
- 中耳炎の治療として鼓膜切開を行う場合には、小さな穴をあけて耳の中にある液体(浸出液、膿など)を外に出すために行われます。この状態がなくなれば自然に鼓膜の穴は閉じていきます。ただし、耳の中の状態もなかなか落ち着かないという状況になると穴が閉じるまで数カ月かかることもあります。また、鼓膜穿孔(こまくせんこう)という状態は別の話になりますが、何度も鼓膜穿孔を繰り返している場合は治療が必要になります。
- 耳の聞こえがよくないのですが、補聴器をつけたほうがよいでしょうか?
- 補聴器をつける必要があるかどうかは個々人の聴こえの状態によります。一概には言えないので、補聴器を購入することをご検討されている場合は一度耳鼻咽喉科医にご相談ください。
鼻について
- 鼻血がよく出るのですが、何かの病気でしょうか?
- 鼻血が出る主な原因になっているのは、傷つけたことによるものが多いです。ご自身で鼻をいじることで傷つけてしまっているのです。その他には粘膜の障害や乾燥なども挙げられます。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの鼻の病気により鼻がムズムズすることで鼻の穴をいじってしまっていませんか?
鼻をつまんで容易に止血はできますが、鼻血がなかなか止まらない、頻繁に鼻血が出るという場合には一度耳鼻咽喉科を受診してみることをお勧めいたします。 - 鼻血が出た時の対処法を教えてください。
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鼻血が出た時の正しい対処法としては、
- 下を向いて、鼻の一番膨らんでいる部分(小鼻)をつかむ
- 椅子などがあれば腰かけ、安静にする
この時も下を向いておく。 - 喉の方へ血が流れてきても飲み込まず、静かに吐き出す
- そのままの姿勢で5~10分程度様子を見る
こちらの対処法を行っても鼻血が止まらない場合には、耳鼻咽喉科を受診してください。
よく上を向いて鼻をつまんでいる方もいますが、上を向かないようご注意ください - ネブライザー治療は何のために実施するのでしょうか?
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ネブライザー治療は、薬を霧状にしているものを吸入していただくもので
- 霧の中に含まれている抗菌剤を吸入してもらい、炎症の原因となる細菌を減らす
- ステロイドで炎症自体を鎮める
- 喚起を行うことで炎症を改善する
という効果が期待できます。局所に直接働くので効果が表れやすいです
- 子供の鼻水は家庭でも吸った方がいいと言われますが家でも吸ったほうがいいのでしょうか?
- お子さんだと自分でなかなかうまく鼻水をかむことができないことが多いので吸ってあげたほうが良いでしょう。鼻詰まりになったりすると呼吸がしにくくなりますし、寝ている時にはいびきの原因にもなります。中耳炎の原因にもつながることがあるのでできる限り鼻水は吸ってあげましょう。
- 子供の鼻水を吸ってもらうためだけに耳鼻咽喉科を受診してもいいでしょうか?
- いいです。耳鼻咽喉科の専門的な医療行為の1つとして鼻水を吸う処置があります。ご自宅でなかなかうまく吸えないという場合であれば、お気軽に耳鼻咽喉科を受診していただき、鼻水を吸ってもらいましょう。家庭の吸引器より強力な吸引力がありますので、鼻の奥まですっきり取ることができます。
- 鼻水はすすっているだけで特にティッシュなどでかむ必要はありませんか?
- あまり鼻水をすすると中耳炎になる原因になるのですすることはお勧めしません。鼻水はすすらず、かむようにしましょう。ただし、ティッシュでかむ際、片方ずつゆっくりとかむようにし、あまり強くかまないように注意しましょう。
咽喉について
- 咳が続いていて内科で薬をもらいましたがよくならないのですが・・・。
- 考えられることとして、蓄膿症(ちくのう症)で鼻水がのどにおりてきていて咳の原因になっている可能性があります。また、咳喘息という可能性もあります。ただの内科ではなく耳鼻科や息の通る道である気管や肺を専門にしている呼吸器内科にご相談ください。
- 子供の扁桃腺が大きいのですが、手術で摘出した方が良いのでしょうか?
- 大きいだけでは原則的に摘出するということにはなりませんので、状況によります。ただし、「いびきがひどい」「睡眠時に無呼吸になっている」「嚥下障害」の場合には摘出を考慮していかなければなりません。また、扁桃炎の頻度や程度にもよりますが、摘出をする場合もあります。滲出性中耳炎の原因になっている場合にも摘出を行っていくこともあります(アデノイドも同様)。
- のどに骨がささった場合はどうすればいいですか?
- のどに骨が刺さった場合には、すぐに耳鼻咽喉科を受診してください。ご飯を飲み込んで流す、ご自身で無理に取ろうということはしないようにしましょう。余計に深く刺さってしまう場合がありますので注意が必要です。
その他
- 耳鼻咽喉科で風邪は診察してもらえますか?
- もちろん診察します。風邪は、急性上気道炎と言われることもあり、耳鼻咽喉科の専門分野になります。風邪をひいたという場合であれば耳鼻咽喉科を受診していただけます。
- いびきを治療できると聞きましたが治療法はどのようなものがありますか?
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いびきの治療方法としては、
- CPAP(シーパップ):鼻から空気を気道に送り込むために装置を使用します
- プロテーゼ:舌根を押さえつけて気道を確保する治療
- 肥満の解消:肥満が原因のこともあるので、その場合は肥満を解決していきます
があります。治療を行っていくためには、検査と診断が必要になります。治療を希望される方は耳鼻咽喉科やいびき外来を行っている医療機関を受診してください。いびき外来をしていない場合は専門の医療機関を紹介してもらえます。
- 子供のいびきが気になるのですが特に問題ないのでしょうか?
- いびきはのどだけでなく、鼻がつまっている状態でも起きます。例えば、アレルギー性鼻炎の治療を行うことで鼻が通るようになりいびきが治ることもあります。扁桃腺が大きすぎることが原因のこともありますし、いびきが途中で突然10秒以上止まり、息も止まるようであれば睡眠時無呼吸症候群の可能性もあり治療が必要になりますので、気になる場合は耳鼻咽喉科を受診しご相談ください。
- おたふく風邪(流行性耳下腺炎)は耳鼻咽喉科ではなく小児科でないと診てもらえませんか?
- おたふく風邪は、症状を緩和し、自らの治癒力で治していく病気になります。小児科だけに限らず、耳鼻咽喉科でも受診していただけます。
ただし、おたふく風邪だけでなく、髄膜炎などを併発している場合には、小児科や耳鼻科のどちらを受診したらいいのかという状況ではなく、入院設備のある病院を受診が必要になります。 - くびにしこりができたようなのですが、診察はどの科を受診したらよいのでしょうか?
- くびにしこりがある場合には、のどのできものがくびに移っていることも考えられます。「くび」にしこりがあっても「のど」の精密検査も必要になってきますので、耳鼻咽喉科を受診しましょう。